佐川氏ら再び不起訴へ…大阪地検、捜査終結
06:57
学校法人「森友学園」を巡る問題で、大阪地検特捜部は、
国有地売却に関する背任容疑や決裁文書改ざん・廃棄に対する
有印公文書変造容疑などで告発された佐川宣寿・元国税庁長官(61)や
財務省幹部ら計10人について、週内にも再び不起訴にする方針を固めた。
検察審査会の「不起訴不当」議決を受けて再捜査したが、
いずれも起訴するだけの違法性が認められないと判断した。
これで佐川氏らへの捜査が終結する。
財務省の調査によると、近畿財務局は2016年6月、大阪府豊中市の国有地について、
地中のごみの撤去費約8億2000万円を差し引き、1億3400万円で学園に売却。
国有地の安値売却問題が浮上した17年2月以降、財務省理財局が近畿財務局に指示し、
当時理財局長だった佐川氏の国会答弁と整合性を取るため、決裁文書を改ざんした。
特捜部は市民団体などから刑事告発を受けて捜査。18年5月、国有地売却については
撤去費の積算が不適正とは言えず、決裁文書改ざんも
「改ざん後の文書に虚偽の内容が含まれていない」として、
佐川氏ら告発された38人全員を不起訴にした。
これに対し、大阪第1検察審査会は今年3月、佐川氏ら10人に対する不起訴不当を議決し、
特捜部が検事約10人態勢で多数の関係者を再聴取するなど、約3か月半にわたって再捜査。
しかし、国有地売却では、地中にごみが一定量存在しており、値引きが不当とまでは言えず、決
裁文書改ざんも過去の同種事件と比較した結果、明らかな虚偽の記載がなければ起訴することはできないと判断した。
また、学園との交渉記録を廃棄したとする公用文書等毀棄容疑についても、
財務省が交渉記録を作成した時点で文書の保存期間を「事案終了まで」と定め、
国有地の売却後に廃棄していたことから、違法とは言えないと結論づけた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190724-OYT1T50052/