参院選 首相の遊説 政権党の度量はどこに


参院選を戦う与野党のホームページには、党首ら幹部の遊説日程が告知されている。
ところが、自民党は総裁たる安倍首相の予定を掲載していない。

 念頭にあるのは、2017年夏の東京都議選最終日、秋葉原での街頭演説だろう。
聴衆の一部から「辞めろ」コールを浴びた首相が、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言い返し、
自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された。

昨年の党総裁選最後の秋葉原での演説では、公共のスペースであるにもかかわらず、
党関係者が一部を区切って、支援者以外を遠ざけようとした。
「ステルス遊説」とも皮肉られる今回の参院選対応は、その延長線上にある。

 誰でも耳を傾けることができる街頭での演説は、広く有権者に政見を訴えることに意義がある。
支援者しか眼中にないような首相の内向きな姿勢は、現に政権を預かる政治指導者の
振るまいとして、著しく度量を欠くものだ。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14099247.html