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朝鮮半島の恒久平和の実現は、沖縄の過重な米軍基地負担の軽減にもつながる。沖縄の米軍基地は、常に朝鮮半島の危機と連動して存在してきた。
在沖海兵隊は絶えず朝鮮半島情勢に注目し、有事に備えている。緊張が高まった際には激しい訓練を繰り返してきた経緯がある。

名護市辺野古の新基地建設計画も、朝鮮半島に海兵隊を投入する米軍のシナリオの延長線上に位置付けられる。
さらに、嘉手納基地や普天間飛行場、ホワイトビーチ地区といった米軍基地は朝鮮戦争で使用される国連軍基地でもある。
朝鮮戦争が終結すれば、在沖米軍基地は国連軍基地ではなくなり、北朝鮮の攻撃対象から外れるだけでなく、在沖米軍基地の存在価値を低下させる。
そうなると政府が「抑止力の維持」を理由に進める辺野古新基地建設の名分も説得力を失う。

今、北朝鮮と韓国の当事国をはじめ、米国、中国、ロシア、日本などの関係国も、「脅威」や「緊張」を前提とした朝鮮半島政策を転換する時機に来ている。
対話によって紛争の火種を除去する外交戦略こそが求められている。

それによって南北の融和を一層深め、朝鮮戦争終結宣言や平和協定締結を実現する環境をつくるべきだ。
日本政府による辺野古新基地建設は、そんな環境づくりに逆行する愚策と言うほかない。

おしまい