日本相撲協会は、アメリカのトランプ大統領や安倍総理大臣が大相撲を観戦する座席を確保するため、
国技館の土俵に近い「マス席」を取り払ってソファーを設置したほか、
座布団などを物を投げないよう観客にチラシを配って呼びかけるなど、極めて異例の対応を取っています。

「マス席」は、1メートル30センチ四方の鉄製の枠で囲まれた中に座布団が敷かれた座席で、
大人4人がゆったり座るには、決して広いとは言えません。

こうしたことなどから、前日の夜から正面のマス席の最前列について、この鉄製の枠を取り払う工事が行われたうえ、
赤いじゅうたんが敷かれました。じゅうたんの上にはソファーが設けられ、特別な観覧席が用意されました。
要人の観戦のためにマス席を取り払って特別な席を設ける対応は極めて異例で、相撲協会関係者も「記憶に無い」と話しています。

日本相撲協会は、国技館の安全対策の一環として、瓶や缶入りの飲み物の販売を制限しています。
国技館では通常、マス席で観戦する客に瓶ビールの販売が行われていて、自由に飲むことができるように、
席には金属製の栓抜きもひもでくくりつけられています。

しかし、こうした瓶入りの飲料は、観客が投げるなどした場合に危険だとして、
客席での販売をやめる異例の対応が取られました。
マス席の栓抜きもすべて回収されました。
さらに缶に入った飲み物は、館内の売店で購入した際、紙コップなどに移し替える対応が取られています。

また、国技館内に設置され、ペットボトル入りの飲み物が販売されている自動販売機には、
硬貨の投入口に「休場」と書かれた紙が貼られ、使用禁止となりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190526/k10011929841000.html