中国浙江省紹興市で21年前の1998年4月20日に起きた親子2人殺害事件の犯人の男が逮捕され、死刑判決を受け、
即日執行されたことが明らかになった。男は被害者宅の近所に住んでおり、素知らぬ顔でずっと生活していたという。

 逮捕の決め手は最新の科学捜査で、男が10年前に軽犯罪で逮捕された際、警察によってとられた掌紋だったという。浙江省の地元紙「銭江晩報」が報じた。

 この男は王という苗字で、41歳。犯行時は20歳で、近所の集合住宅の2階に住んでいた陳さん母子が犠牲者となった。

 王は深夜、陳さん宅に2階の窓から侵入。ベッドで寝ていた陳さんと、当時の4歳の陳さんの娘を持っていたハサミで刺し殺した。
その後王は部屋を物色して、20元(現在のレートで340円)を奪って逃走した。

 警察が捜査したところ、部屋は血まみれで、凄惨な状況だったが、重要な証拠となるようだ物証は見つからなかったという。

 王は犯行時、両手ともに手袋をしており、指紋は残されていなかったものの、室内を物色した際、手袋が少し脱げたようで、
血にまみれた親指の下部の掌紋が部分的に残っていた。

 しかし、当時の中国の警察では部分的掌紋で犯人を特定するほどの技術は持っていなかったため、その後の捜査は難航し、迷宮入りかとみられていた。

 ところが、事態は意外なところから展開し始めた。実は、王は10年前の2009年、大量の花火の違法所持行為で、
警察に逮捕されており、その際、警察の取り調べで指紋や掌紋などがとられた。王は半年間服役している。

 紹興市警察本部は今年に入って、未解決事件の再捜査に乗り出しており、当時の犯行現場の掌紋と、
10年前の王の掌紋が一致したことが、王の逮捕につながった。

 科学技術の発達により警察の捜査能力は格段に上がっており、20年前の犯行当時には不可能だった部分的な掌紋の照合が、
今ではできるようになったことで、王が逮捕されたわけだ。

 裁判は奇しくも犯行から21年目の今年4月20日に行われ、
「わずかな金のために母子2人が殺されており、犯行は残忍で凶暴」として、即時死刑執行の判決が下された。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190525-00000007-pseven-cn