大分市内で進むJR駅無人化は障害者差別を禁じた県の条例に反するとして、市内在住の駅利用者が22日、無人化中止に向けてJR九州との調整役となるよう県に求めた。

 障害のある人や支援者ら約10人が県庁を訪問。代理人の徳田靖之弁護士は「無人化は車椅子利用者らの安全性を阻害する。介助には事前予約が必要という条件が付くのは合理的配慮を欠く」と指摘。主張を記した文書を県障害者社会参加推進室の担当者に手渡した。
 徳田弁護士らは記者会見で「署名活動などでJRに撤回を求めてきたが中止する気配がない」と、県に相談した経緯を説明。「経営状況を根拠に無人化するのは納得できず、従来通りの対応を求めるのは過重な負担ではない」と主張した。

 脳性まひがある宮西君代さん(56)=同市=は「言葉を聞き取ってもらいにくく電話は苦手。事前予約は苦痛で、無人化は新たな社会的障壁を生む」と訴えた。
 同室は「双方の状況や主張を中立的な立場で精査し、互いの理解が得られるよう調整したい」とコメントした。

 2016年4月施行の「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる県づくり条例」は公共交通事業者に対し、合理的な理由なく利用者に不利益な取り扱いをしてはならないと定めている。障害を理由に差別があった場合、県は相談を受け付け、関係者間の調整をすることを明記している。
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/03/23/JD0057905421