【ロンドン時事】メイ英首相は24日、辞意を表明した。

 最大の政治課題だった欧州連合(EU)からの離脱で与党・保守党内をまとめられず、離脱は2度の延期を強いられた。離脱に失敗した無念さに、涙ぐみながらの退場となった。

 「愛する国に奉仕する機会を得られ、絶大な感謝を胸に私は間もなくこの栄誉ある職を離れる」。官邸前で演説した首相は声を詰まらせ、泣き顔で立ち去った。これまで強気一辺倒な姿勢を崩さず、タフさを持ち味としてきた首相が初めて公に見せた姿だった。

 サッチャー元首相以来、英国で2人目の女性宰相として2016年7月に就任した。しかし、EU離脱をめぐる世論と与党内の分断に直面。離脱派と残留派の板挟みとなり、迷走続きの3年だった。

 「EU離脱を実現するのが私の仕事だ」と繰り返し主張してきた。重要閣僚が相次いで辞任しても、EUとまとめた離脱合意案を議会に3度否決されても、驚異的な精神力でくじける姿を見せることはなかった。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190524-00000157-jij-eurp