<年齢が生殖能力や妊娠、子どもの健康にどう影響するかに関して行われた研究で、高齢の男性の場合、生殖能力が下がるだけでなく、さまざまなリスクがあることがわかった>

女性の妊娠や子どもの健康にも影響
「子どもを産めるタイムリミット」──女性に向かって使われることがあるこの言葉だが、実は男性にもタイムリミットがあることがこのほど発表された研究で明らかになった。

研究を行なったのは、米ラトガース大学の医学部ロバート・ウッド・ジョンソン・メディカルスクールのウィメンズヘルス研究所で所長を務めるグロリア・バッハマン博士のチームだ。
結果は医学誌マチュリタス7月号に掲載されている。米科学系ウェブニュースのサイエンス・デイリーによると、年齢が生殖能力や妊娠、子どもの健康にどう影響するかに関して行われた過去40年間の研究を分析したものだ。

バッハマン博士によると、「高齢の父親」のもとに生まれる子どもの割合は近年増加しており、米国では過去40年間で4%から10%に増えた。
「高齢の父親」の定義は、バッハマン博士によると35歳以上とも45歳以上とも言われており、今のところ決まったものはないようだ。

これまで高齢の女性についての不妊や妊娠した場合の疾患などに関する研究は数多くなされてきたものの、高齢の男性に関する影響を取り上げた研究は非常に少ない、と研究チームは書いている。

それでも、データを分析したところ高齢の男性の場合、生殖能力が下がるだけでなく、パートナーの女性が妊娠した際には妊娠糖尿病などの合併症や、胎児の発育遅延、早産などの問題が起こるリスクが高まることが示唆された。
生まれた子どもは、先天性欠損症や自閉症、小児がんなどのリスクが高まるという。
(以下略)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/35-9.php?t=1