5月1日の天皇陛下の即位の日。ニュース番組をいつもよりも「拡大」させて放送しながら、なぜか皇位継承順位について
報道しなかったテレビ局(日本テレビとフジテレビ)がある一方、その他のNHKや民放キー局は
図解して皇位継承順位について放送した。TBSは「NEWS23」で、皇位継承の問題に時間をさいて伝えた。

 冒頭の画像は、向かって左側の写真が昭和64年の前回の即位の式で、右側は5月1日の即位の式の様子だ
。皇位継承の資格がある成人男子の皇族だけが参列できるため、前回は現在の上皇陛下の両脇に立ち合った皇族が6人。
向かって右側の5月1日の式では新天皇陛下の脇に秋篠宮さまと常陸宮さまの2人だけだ。

 男性の皇族が次第に減りゆくなかで皇位継承の制度のあり方が問われているとして「””待ったなし”の皇位継承問題」という大きな字幕を掲げた。
スタジオのゲストの小田部雄次さん(静岡福祉大学名誉教授=近現代の皇室制度などを研究)が同意する。

「そういうことになりますね。悠仁さまはまだ独身ですから、ご結婚されて男のお子さんが生まれれば何の問題もないんですが、果たしてそれがどうなんだろうかと。現にいま皇室に入られること自体、
非常に難しいうえ、男のお子さまを産まなきゃいけないというプレッシャーを抱えてご結婚してくださる女性というのはなかなか難しいかなというのが多くの方が心配していることですね」
駒田健吾キャスターが星浩キャスターに安倍政権の政治はどうなのかを尋ねる。

(星)「実は今回、退位特例法が出来た時に、『政府は皇位の安定的な継承について速やかに検討して国会に報告する』ということになっているのですけれども、実際には本格的な検討は着手されていないんですよね。安倍総理の周辺というか、支持するグループは、どちらかというと『女性宮家』に対してもあまり積極的ではないというか、むしろ『反対』の姿勢なので、その影響があると言われているのですよね。

 ただ安定的な皇位継承というのは、もう”待ったなし”の課題ですので、ここで検討を進めないということ自体、
私はちょっと怠慢かなと思います。どうやったら安定的な皇位継承ができるのか。議論を早く進めてもらいたいと思います。」

 現状を「安倍首相の怠慢」とまで言い切った星キャスターの表現は歯切れがいい。

 少なくとも「女性天皇」「女系天皇」、あるいはその前の段階の「女性宮家」創設の問題は、つとめて「政治」の問題なのであり、
政権トップの意思次第で前にも後ろにも進むのだということを「NEWS 23」は伝えていた。
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20190503-00124685/