南海トラフ地震は被害1410兆円、回復20年
https://business.nikkei.com/atcl/report/16/101700172/070600029/?P=2

その後の回復のペースは、阪神大震災と同じと仮定した。阪神大震災では20年かけて被災地のGDPが少しずつ回復していったことが今回の分析から分かった。同じ回復曲線を南海トラフ地震に適用すると、被害額は20年間で合計1048兆円となった。これは南海トラフ地震が発生しなかった場合に予想されるGDPとの差額である。

■18世紀にはポルトガルが没落
 ところで一部の大都市に人口が集中したまま南海トラフ地震が起きれば、被害額は1410兆円では済まない、と筆者は思っている。というのも今回の試算のベースとした阪神大震災では、東京や名古屋などの経済圏はほとんど影響を受けることなく、兵庫県をはじめとする被災地を支援できた。

 一方、南海トラフ地震では大阪や名古屋はもとより、東京を含めて主要な経済圏が軒並み影響を受ける。被災地は国内から十分な支援を受けられず、GDPは20年で回復しない可能性もある。

 1755年、ポルトガルの首都リスボンを大地震が襲い、経済は壊滅した。当時植民地拡大で栄華を誇った同国はこれ以降、現在に至るまで大国の地位を回復できていない。同じように日本にとり南海トラフ地震が長い低迷期の入り口になる可能性がある。数百年では利かず、1000年単位の低迷となる恐れすらある。

🔻阪神淡路大震災での回復ペース
https://i.imgur.com/69N1KUr.png

🔻南海トラフで震度6以上
(東日本大震災みたいに何度も地震と津波が来る)
https://i.imgur.com/c2AJDKi.png