韓国の弁護士でつくる団体が、慰安婦問題をめぐる日韓合意の交渉内容を記録した文書を公開するよう
求めている裁判で、ソウル高等裁判所は18日、1審の判決を取り消し、文書の公開を認めないとする
判決を言い渡しました。原告側は上告する考えを明らかにしています。

この裁判は、韓国の弁護士でつくる団体が、慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意に至る協議の中で
「日本側が強制連行について認めたかどうか確認する必要がある」として、韓国外務省に対して交渉内容を
記録した文書を公開するよう求めているものです。

おととし1月の1審判決では「どのように合意に至ったのか、韓国国民は知る必要がある」として、
文書の公開を命じていました。

韓国外務省はこれを不服として控訴し、ソウル高等裁判所は18日午前、1審判決を取り消し、文書の
公開を認めない判決を言い渡しました。

韓国外務省はおととし、日韓合意について検証した際「被害者の意見を十分に集約しなかった」とする
報告書をまとめていますが、「文書を公開すれば国益を損ねるおそれがある」などと主張していました。

慰安婦問題をめぐる日韓合意では「最終的かつ不可逆的な解決」を両国の間で確認していますが、
原告側の弁護士は判決後、問題は解決しておらず、文書の公開は必要だとして、上告する考えを
明らかにしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190418/k10011888071000.html