スペインで、今月末に投票が行われる議会選挙の運動が公式に始まりました。EU=ヨーロッパ連合に
懐疑的な立場をとり、不法移民の即時追放を掲げる新興の極右政党が急速に支持を広げ、
選挙の行方に関心が集まっています。

スペインでは、サンチェス首相が、ことし2月に議会を解散し、下院350議席と上院266議席の
すべての議席が改選されます。

選挙運動は、11日深夜から始まり、与党の中道左派、社会労働党を率いるサンチェス首相など
各政党の党首が国内各地で支持を訴えました。

今回の選挙では、社会労働党や、最大野党の中道右派、国民党など主要な4つの政党は、
いずれも単独で過半数の議席を獲得するのは難しいとみられています。

最新の世論調査の支持率では、新興の極右政党ボックスが11%余りの支持を集め、
選挙の結果によっては、中道右派の2つの政党とともに連立政権を組む可能性が指摘されています。

ボックスは、EUに懐疑的な立場をとり、北アフリカから地中海をわたってくる不法移民の即時追放や、
北東部カタルーニャ州の独立運動に関わる政党や組織の非合法化などを掲げています。

ヨーロッパでは、極右勢力やEUに懐疑的な政権の存在感が増し、スペインで極右政党が
連立政権入りすることになれば、EUの分断がさらに深まりかねないだけに、選挙の行方に関心が
集まっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190413/k10011882791000.html