1%程度の成長ペースを巡航速度とする日本と比べれば、韓国の成長率ははるか高い。
日韓の成長率の違いは約2%ポイントあり、その分だけ両国の経済規模は接近することになる。
また、米ドルベースで2012年以降の日本円と韓国ウォンの動きを見ると、日本円はドルに対して
約4割も下落したが、ウォンは対ドルでほぼ横ばい推移だった。つまり、為替変動だけで両国の
経済力は2012年以降の6年間で4割も縮小したという見方になる。

こうした成長率や為替相場の動きを反映して、経済水準を示す代表的な指標である1人当たりの
GDPは、韓国で2012年の2万4000ドルから2018年には3万2000ドルまで上昇した一方で、
日本は4万8000ドル台から4万ドルへ低下した。つまり、2012年に2倍の開きがあった両国の
経済水準は、その後の円安進行もあって急速に接近し、その差は2018年に25%まで縮まっているわけである。

■韓国「日本越え」シナリオの現実味
今後も日本の1%成長、韓国の3%成長が続けば、10年余りで両国の経済水準(1人当たりGDP)に
差がなくなる計算となり、これに円安ウォン高が加われば、数年で韓国が日本を追い越すという
シナリオも現実味を帯びてくる。

最近の韓国は、北朝鮮に対する独自のアプローチで明らかとなったように、日本バッシングならぬ
「日本パッシング(無視)」の傾向が見られるという指摘もあるが、その背景には、こうした経済面に
おける日本の優位性の低下、少なくとも韓国側から見れば永年の目標であった日本へのキャッチアップを
達成した感があるのかもしれない。

(抜粋)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/post-11923.php