一部抜粋

おそらく、バノンが嫌われている一番の理由はこの貿易政策ではなく、もっと広い意味のFar right(極右)の指導者だと思われているからだ。
バノンが会長を務めていた間、右翼メディアサイト「ブライトバート」は反移民、反ユダヤ、反イスラム、反同性愛、反フェミニズムなどの内容が目立った。そんな「反」だらけのブライトバートは逆に、いったい誰のためにあるのか?
 バノンは当時「Alt-right(オルト・ライト=ネット右翼)のプラットフォームだ」と自慢し、極端な白人至上主義のユーザーを歓迎していたことから、その答えが分かる。

本人はそういう意味で「オルト・ライト」とは言っていないと否定するが、よく聞くブライトバートとバノンのイメージから、
彼はEconomic-nationalism(経済的ナショナリズム)だけではなく、Ethnic-nationalism(民族的ナショナリズム)にも加担していると思われている。これがバノンに対する憎しみの種の1つだろう。

本人もそうした事実を把握しているようで、公の場で頻繁にその印象を払拭しようとする。僕にも、2つの「ナショナリズム」の違いを丁寧に説明してくれた。
「経済的ナショナリズムでは、人種も信仰も肌の色も宗教もジェンダーも性的指向も関係ない。大事なのはアメリカの国民であるかどうかだけだ」。
ネオ・ナチやファシストはNut jobs(頭がおかしい連中)だとはっきり述べた上で、一番大事なのは黒人やヒスパニック系の雇用を増やすことだ、自分は有色人種の味方だと熱弁する。

この取材で聞いた話しか知らなかったら、バノンの印象はかなりいい。僕も社会的弱者の味方のつもりだし、気が合いそうだ。タッグを組んでもいいぐらい。「パックンバックン」!

しかし、僕はバノンと気持ちは同じでも、労働者を守る規制、最低賃金、国民皆保険や、マイノリティーを守る公民権、アファーマティブ・アクション(差別是正措置)、同性婚などを推進する民主党と、ダイバシティー(多様性)を歓迎するリベラル・メディアを支持する。


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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190323-00010000-newsweek-int&;p=2
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