斎藤佑樹ら「ショート・スターター」起用が現実味

日本ハム栗山英樹監督(57)が、新たな投手起用法を導入するかもしれない。先発投手に短いイニングを託す「ショート・スターター」。
昨季の大リーグで導入された救援投手が先発する「オープナー」をアレンジしたもの。候補のひとりである斎藤佑樹投手(30)は、
アスレチックスとのプレシーズンゲームに先発し、2回を1安打1失点でまとめた。日本発の新ポジション確立が、現実味を帯びてきた。

栗山監督がまた、野球界の固定観念を取り払うかもしれない。「ショート・スターター」。ア軍戦で先発した斎藤は、その可能性を広げてくれる存在の1人だ。
2回に「明らかな失投で反省」と甘く入った直球でソロ本塁打を浴びたが、2回1安打1失点。ここまで実戦4試合は全て先発で最長イニングは3回。
通算9イニング目で初めて失点したものの、抜群の制球力で試合序盤を抑える安定感を示している。

従来の「先発」とは違う新概念となる。責任投球回の5回以上を投げることが先発の役目とされてきたが、ショート・スターターは打者一巡、
最長で3回を投げきることが役割。「力」ではなく、制球などの「技」でアウトを積み上げ、チームに流れを引き寄せる斎藤にとっても、
個性が生きるポジションとなりそう。2番手以降との投球スタイルの違いで、相手打線を幻惑することも可能だ。

昨季の大リーグで導入された「オープナー」ともまた違うポジション。1軍登録枠が1増の29人となったことも、追い風になる。栗山監督は試合後の公式会見で、
隣に座った斎藤に「佑樹、ごめんなさい。本当は長く投げさせてあげないといけないけど」と頭を下げた。だが斎藤は降板後、ブルペンでの追加投球などもしておらず、
明らかに普通の調整ではない。「与えられたポジションでしっかり投げていくことが大事。目の前の打者を抑えることだけ集中して、起用法は監督に任せます」と意欲的だ。

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