インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」取引所のコイン大量消失をめぐり、業務上横領などの
罪に問われた運営会社「MTGOX」(東京、民事再生手続き中)元代表マルク・カルプレス被告(33)
=フランス・イスラエル国籍=の判決が15日、東京地裁であった。

中山大行裁判長は顧客資金を着服したとする業務上横領罪などは無罪とし、自社システムに架空の
入金データを記録した私電磁的記録不正作出・同供用罪で懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役10年)を言い渡した。

中山裁判長は、検察側が着服したとした顧客資金について、「会社に帰属する資金」と認定した上で、
被告が会社経費を自身のクレジットカードで支払っていたことなどを挙げ、「会社から被告への貸し付けで、
(会社資金の)横領にも当たらない」と判断。会社の売り上げが増加していたことにも触れ、
「返済の可能性もあった」と述べた。

有罪とした入金データ偽装については、会社口座が凍結された2011年、資金繰りを危惧した被告が、
顧客と架空取引を行ったと指摘。つじつまを合わせるため、自社システムのデータを不正操作したと認定した。

判決によると、カルプレス被告は13年2〜9月、自社の取引システムに架空の入金を記録し、
多額の現金残高があるように見せ掛けた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031500196&;g=soc

東京地裁での初公判を終え、記者会見する仮想通貨ビットコイン取引所の運営会社「MTGOX」元代表マルク・カルプレス被告=2017年7月11日、東京・霞が関の司法記者クラブ
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/20190315at01S_p.jpg