新幹線で肉声英語のアナウンス 流暢でなくても好評
https://digital.asahi.com/articles/ASM2551VNM25PLFA008.html
JR東海の乗務員詰め所にある「英語ブース」。指導車掌の倉橋宏典さんらが英語の例文などをつくった。
「恥ずかしがらずに読んでみましょう!」との記述も
https://www.asahicom.jp/articles/images/c_AS20190205004364_comm.jpg

新幹線で最近、アナウンスの変化に気づきませんか? JR東海の車掌による「英語案内」。
到着前、駅名などを肉声で伝えるようになった。訪日外国人客が急増するなか、
英語での対応力を高めるねらいだ。

「We are stopping at Nagoya station.」(まもなく名古屋です)
「The doors on the right side will open.」(出口は右側です)。
JR東海は昨年12月、「のぞみ」「ひかり」などの東京―新大阪を走る東海道新幹線で、
「肉声英語」での案内を始めた。

背景には、新幹線を使う外国人の増加がある。「英語が必要だという意識は職場で高まっていたが、
実際に話す機会は少なかった」とJR東海関西支社の田中健介・営業課長。
「一歩ずつ英語の対応力を上げるため」、車掌の肉声英語に踏み切った。

車掌のなかにはそもそも、抵抗感を示す人もいたという。このため2015年度から社内で英語研修を開始。
職場では「英語委員会」なる組織もできた。指導車掌の倉橋宏典さんは京都駅での勤務経験もあって
英語が得意だが、「それでも最初は緊張した」。乗務前の打ち合わせでは、
他の車掌に対して英語の発音などのアドバイスをしている。

インターネット上では、車掌らの緊張感が伝わるからなのか、「カタコト」「棒読み」などと
話題になっている。だが、米ロサンゼルスから旅行に来ていた男性(26)は
「英語だと助かるのでありがたい。(流暢(りゅうちょう)な英語でなくても)構わない」と歓迎していた。
自動音声による英語案内も、19年度から強化する。遅延などのトラブル発生時、
車掌らが持つスマートフォンのアプリから、状況に応じた英語案内を流せるしくみを導入する。