日清食品が6月から「カップヌードル」はじめ即席麺を一斉値上げすると発表したばかりだが、現在、即席麺は年間どのくらい食べられているか
ご存知だろうか。世界ラーメン協会によれば、2017年に世界中で消費された即席麺はなんと1001億食にも及び、日本は中国、インドネシアに続き3位。
年間56億6000万食が消費されている。

市場調査会社の富士経済によると、「カップ麺」は新ブランドの相次ぐ発売や、災害の備蓄需要などの要因も重なり2014年から
右肩上がりの販売量(2017年は37億500万食)を記録しているのに対し、「袋入り」のインスタント麺は4年連続で前年を下回り、
16億6770万食(2017年)とカップ麺の半分以下の販売量に落ち込んでいる。

どうして袋麺は苦戦を強いられているのか。その背景には“若者の袋麺離れ”が顕著になっていることが挙げられる。

「カップ麺はいつでもどこでもお湯を注ぐだけですぐに食べられる簡便性がある一方で、袋麺はどうしても麺を茹でたり鍋や器を用意したりと
調理に時間と手間がかかります。そのため、特に若い人たちは不便さを感じて、袋麺からカップ麺へのシフトが年々進んでいるのです」
(富士経済・東京マーケティング本部主任研究員の木下聡氏)

袋麺のナンバーワンブランドである「サッポロ一番」を擁するサンヨー食品はこうした声に応え、定番商品に加えて限定商品の個食販売を実施したところ
売り上げ増を記録したが、「バラで買うとセットに比べて1食当たりの値段が割高なので、やはりカップ麺を選んでしまう」(30代女性)と、
なかなか袋麺のニーズを完全に掴みきれないのが現状。

確かに、「サッポロ一番」や「チキンラーメン」など、発売から50年、60年たった商品が今でもブランドシェアの上位を占めていることをみると、
いかに根強いファンが多いかがうかがえる。カップ麺と合わせ、日本の即席麺は多少の市場変動があっても決して廃れない国民食といえる。

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【5食1パックのセット売りに変化も…】
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【お椀に入れてお湯を注ぐだけの小容量「袋麺」がヒット】
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