親…冷水かけたらぐったりした
検視官…肺に水が溜まっていた、胃に残留物が無かった
立たせたまま、ホースか何かで顔めがけて勢いよく水をかけた、恐らく溺死か或いは低体温に拠る衰弱死だな。

彼女が最期に見た光景は、水越しに見えた狂気に満ちた実の父親の顔だろう。
其れは其れは恐ろしい光景だったに違いない。
唯一味方になった筈の母親にも助けて貰えず、絶望の内に亡くなったのだろう。

遺体は静かに、雄弁に語る。
最期の様子を、最期の思いを…。