【特集】小5の息子を殺害された遺族に「数百万円」の経済的負担…なぜ? 被害者家族が直面する「現実」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190206-00010002-kantele-soci

4年前の2月5日、和歌山県紀の川市で当時小学5年生だった11歳の男の子が、近所に住む男に殺害されました。

犯罪被害者、その遺族を苦しめる「現実」
突然息子を失った家族には、経済的な負担が追い打ちをかけています。理不尽な現状を少しでも変えなければならない。家族は、自ら動き始めています。

■民事訴訟で確定しても…支払われない「損害賠償」

【森田都史君の父親】
「おはようございます。都史君。もう言うてる間に4年になるけど、お父さんとか都史くんの無念を何とか晴らせるように持っていけたらいいなと思います」

4年前、11歳で突然命を奪われた次男の遺影に、父親は今も毎日話しかけています。

2015年2月5日、和歌山県紀の川市の自宅近くの空き地で小学5年の森田都史くんが頭や胸などを刃物で切り付けられ、殺害されました。逮捕されたのは、近くに住む中村桜洲被告(26)でした。

一審で和歌山地裁は中村被告に懲役16年を言い渡し、現在は二審の大阪高裁で裁判が続いています。

一方、民事裁判では約4400万円の損害賠償命令が去年確定しています。しかし、中村被告から損害賠償を支払うという意思表示は全くありません。

そして、中村被告の家族も一審の懲役16年という判決のあとに一度家を訪ねて来た時以降、連絡はありません。

【森田都史君の父親】
「『一応(家に)来た格好だけしとかないといかん』という感じやから、とても納得できなかった。(家に)とても上がってもらうという感じじゃなかった」

■弁護士費用や印紙代の請求…遺族に残る「経済的な負担」

Q:損害賠償の話がありましたが


【森田都史君の父親】
「何もない。知らん顔やな。何にもないです」

(取材中にインターホンが鳴る)
「あれ、誰やろう」

取材中、森田さんの家に一通の封筒が届きました。
届いたのは民事裁判の弁護士費用と、判決にかかる印紙代の請求書です。

【森田都史君の父親】
「立て替え金の残高が21万400円。毎月5千円ずつ払っている」

Q:この9万いくらが印紙代ですか?
「そうそう、うちが払わなあかん」

事件から4年が経った今、森田さんの生活に経済的な負担が重くのしかかっています。

葬儀費用や弁護士費用など、事件に関する支払いは合わせて約200万円にのぼります。