<社説>CV22嘉手納飛来 許せない危険と負担増

米軍横田基地に配備されている米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ4機が米軍嘉手納基地に飛来した。
2機が北方への飛行をした後、4機ともタイでの訓練に向かったとみられる。嘉手納基地の周辺住民にとっては、飛来だけでも大きな負担増だ。断じて容認できない。

<中略>

そもそも、離着陸時に回転翼機となるオスプレイは嘉手納基地で安全に運用できるのだろうか。
1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で普天間飛行場の代替案として「ヘリポートの嘉手納飛行場への集約」も挙げられていた。
それが廃案になった理由の一つが、戦闘機など固定翼機と回転翼機が同居することの危険性だった。
民主党政権時代に普天間基地の嘉手納統合案が浮上した際も、断念する理由になった。

戦闘機が頻繁に飛び交う嘉手納飛行場では、一時的な4、5機の飛来であっても回転翼機である以上、危険性は高まるはずだ。
しかも、嘉手納基地は現在、滑走路1本だけで運用されている。北側の滑走路が補修工事のため閉鎖されているためだ。
1月にはその1本の滑走路で、F15戦闘機が向かい合う形で緊急着陸する事態があったばかりだ。U2偵察機が補助輪を付けたまま飛び立ち、間もなく引き返すという事故もあった。
嘉手納基地の危険性はこれまでになく高まっており、住民の苦痛は限界を超えている。「負担軽減はどこに行ったのか」という憤りに日本政府は応える義務がある。

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