沖縄のシンボル

万国津梁の鐘

琉球国は南海の勝地にして
三韓の秀をあつめ
大明をもって輔車となし
日域をもって唇歯となす
この二つの中間にありて
湧出する蓬莱の島なり
舟楫(しゅうしゅう)をもって
万国の津梁(しんりょう)となし
異産至宝 十方刹(じゅぽうさつ)に充満す
地れいに 人満ち 遠く和夏の仁風を扇(そそ)ぐ
故に吾王(わがおう) 大世主(うふゆぬし) 庚寅に慶生せる尚泰久
ここに王位を高天にうけ 蒼生を厚地に育す
三宝を興隆し 四恩(しおん)に報酬せんがために
新たに巨鐘を鋳(い)て
もって本州中山国 王殿前に掛着(かちゃく)す
憲章を三代のあとより定め 文武を百王の前にあつめ
下は三界の群生を済(すく)い 上は万才の宝位を祝す
尊敬する相国住持(あいこくじゅうじ)の渓隠安潜叟(けいいんあんせんそう)に命じて銘を求む
銘に曰く
須彌(しゅみ)の南畔(なんばん) 
世界洪宏たり
わが王出現して苦しめる衆生(しゅうじょう)をすくう
流れを絶つ王象 月に吠ゆる?鯨(かげい)
四海に泛溢(はんいつ)し 梵音 声をふるわし
長夜の夢をさまし 感天の誠をいたす輪す
尭風(ぎょうふう)永(とこしえに)に扇ぎ
舜日(しゅんじつ)益(ますます)明らかなり