>>1の続き

これまでの41年間、国籍的に私はずっと韓国だったわけですが、帰化を真剣に考えたことはありません。すでに帰化している友人や親戚は多くおり、妹も帰化していますが、イマイチ私自身は帰化に乗り気ではなかったのです。

もちろん「韓国人としての誇り」なんて1グラムもないですし、これから先も私が生きていくのは日本と決まっています。もしかしたら外国で暮らす可能性もゼロではありませんが、少なくとも韓国ではありません。というか、韓国で一生はマジで無理です。

では、なぜこれまで私が帰化に乗り気でなかったのか? 馬鹿な人は「在日特権があるんだろ!」とか言ってきますが、少なくとも私自身が恩恵を受けたことはありません。
私は韓国籍ですが、日本人と同じように日本に税金を納めているんですよ。もちろん割引きなどなく。

それはイイとして、ではなぜ私が帰化に乗り気でなかったのか? 上手く表現するのは難しいんですが、私の考え方というか、こわだりというか、ポリシーというか……。それに「帰化」が反していたんですね。

その考えとは「自然であるべきだ」ということ。これは帰化に特化した考えではなく、すべてにおいて「なるべくなら自然であった方がイイ」と私は思っているんですね。言い方を変えると「無理な力は加えない方がイイ」ということになります。

どういうことかというと、私は在日韓国人の両親から在日韓国人の子供として生まれました。これって不自然なことでしょうか?
 男と女が愛し合って子供を成すことって、とても自然なことですよね。つまり私が生まれたことは国籍や土地うんぬんを超越した、ごく自然な流れだと思っているんです。

そしてたまたま在日韓国人だった──。両親が結婚した理由に「在日韓国人同士だったから」ということは確実にあるでしょうし、
そうだとすれば私が在日韓国人として生まれてきたことも、そしてそれを受け入れることも自然なことだと思うのです。