【ソウル=恩地洋介】
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日午前、大統領府で年頭の記者会見に臨んだ。
鉄道や道路の連結など南北の経済協力に関して「韓国経済の新しい活路になる」と述べ、推進に意欲を示した。
2回目の米朝首脳会談や北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長のソウル訪問が
「遠くない時期に開かれる」との見通しも示した。

南北経済協力に関しては稼働が中断されている開城工業団地や金剛山観光事業の再開に期待を示した。
金正恩氏は1月1日の新年の辞で、両事業について「前提条件や対価なく再開する用意がある」と言及していた。
文氏は「大変歓迎する。北朝鮮との間で解決する課題は解決した」と応じた。

ただ、米国は北朝鮮の非核化が実現するまで経済制裁を続ける方針だ。
南北経済協力は米朝による非核化交渉の進展が前提となる。

記者会見は約1時間半の予定。元徴用工訴訟や自衛隊機へのレーダー照射問題などを巡って亀裂を深める日韓関係にどう言及するかも焦点だ。
元徴用工訴訟を巡っては日本政府が9日、1965年の日韓請求権協定に基づく政府間協議を韓国側に要請した。
韓国外務省は「綿密に検討する」と答えるにとどめており、文氏自身が今後の方向性を示す可能性もある。

2019/1/10 10:45
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39839880Q9A110C1MM0000/