国内初「完全個室フェリー」登場 雑魚寝は「若い人は無理」 加速する新造船の豪華志向
1/4(金) 6:05配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190104-00010000-norimono-bus_all&;p=2

「大部屋を中途半端に残すな」 完全個室にしたワケ

「おれんじ えひめ」のエントランスホール(画像:四国開発フェリー)
「四国オレンジフェリー」では、東予〜大阪航路が新造船2隻体制となったのを機に、曜日や方面、季節によって異なる3段階の変動運賃制が採用されました。
2018年12月現在、東予〜大阪航路の運賃は最も安い「シングル」で大人6500円から7500円、最も高い「ロイヤル」で同1万5000円から1万7000円(いずれも燃油サーチャージ別)です。

 従来の「おれんじ7」「おれんじ8」は旅客定員が750名ほどでしたが、新造の「おれんじ えひめ」「おれんじ おおさか」はそれぞれ518名と、大幅に少なくなりました。
しかし、完全個室となったことで運賃が大きくアップしたわけではなく、むしろ平日を中心としたC期間料金は従来よりも若干低めに設定されています。

「旅客定員は減りましたが、トラックの収容台数は139台から160台に増えました。ドライバーの『働き方改革』が進むなか、当社のフェリーを利用すれば法令に定められた8時間の休息時間を確保できるため、トラックの需要が増え続けています。
また、従来よりも省エネとなり運航コストが低減されたことも、旅客収入の減少分をカバーできる要素のひとつです」(四国開発フェリー)

 新造船を「完全個室」としたのには、10年後を見据え、大部屋や相部屋を「中途半端に残すのはやめよう」という考えがあったとのこと。

「従来船では大部屋の船室を利用されていても、ほかの人が気になるといった理由から、共用スペースで寝ていらっしゃるお客様も少なくありませんでした。また、近年は上位のグレードから予約が埋まっていく傾向もあります。若い人には雑魚寝は無理、そういう時代なのです」(四国開発フェリー)

 また、ほかの交通機関との差別化を図る目的もあるといいます。特に愛媛県では松山空港と関西空港とのあいだでLCCも就航しており、フェリーが価格の優位性を打ち出しづらくなっています。四国開発フェリーによると、「関西では訪日客の増加などもあり、ホテルの予約が取りづらい状況も続いています。
そこで、この船をホテル代わりに使っていただき、船旅そのものを楽しんでいただくことに重点を置きました」とのことです。