[寄稿]ナショナリズムの危険

2018年は日韓関係にとっては悪い年であった。年末には韓国海軍駆逐艦が自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本政府が発表したことで、日本国内での対韓国感情はさらに悪化した。
両国政府の主張が食い違ったままで、私がここで事実を断定することはできない。

 以下は私の想像である。北朝鮮漁船を救助する作業で忙殺されていた韓国駆逐艦の現場の兵士は接近してきた自衛隊機をうるさく思い、レーダーを照射した。
自衛隊機はこれに驚き、日本政府はこれを重大事件として公表した。
韓国政府はこれに反発して、事実を否定している。元航空幕僚長の田母神俊雄氏や軍事ジャーナリストの田岡俊次氏によれば、レーダー照射自体は、危険な行為ではない。
にもかかわらず日本政府が被害者として事態を外交上の大問題にしているのは、現在の日本政府が韓国に対する厳しい世論を作り出そうという政治的意図に基づく。

山口二郎・法政大学法学科教授

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190101-00032444-hankyoreh-kr