日産のクーデター失敗で西川社長が明智光秀になる日 ゴーン再逮捕も特捜部敗北の危機

カルロス・ゴーン日産前会長(64)が逮捕された当初、特捜部はゴーン氏の特別背任や横領を視野に入れて捜査していると思われていた。
しかし、今ではその兆候はみえない。
 東京地検は10日、ゴーン氏とグレゴリー・ケリー同社前代表取締役(62)を再逮捕した。一方、特別背任や横領については捜査の進展はない。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、「事情に詳しい関係者」の話として、ゴーン前会長が逮捕前、
経営不振を理由に西川広人社長の更迭を計画していたと報じた。日本で相次ぐ品質検査不正問題で
西川社長の手腕に疑問を感じていて、11月下旬の取締役会で解任の提案をするつもりだったという。

「事実だとすると、事件の背景がまったく異なってくる。約4億円の報酬を得ている西川氏が、
自らの地位を守ろうとした『個人的な動機』があった可能性が考えられるからです」

 ある特捜部OBは「特捜部は捜査に行き詰まっているのでは」と見ている。

「司法取引をしたんだから、逮捕前に証拠は十分にそろえたのかと思っていた。それが同じ金商法違反で再逮捕して、勾留延長なんて信じられない。
新しい証拠が出てくるとも思えない。特捜部は、崖っぷちに追い込まれたけど、あきらめたくないから再逮捕しただけではないか。
いつもは検察寄りの特捜部OBからも捜査批判が上がっている」

 そもそも、過少に記載されたという役員報酬は、ゴーン前会長が退任した後に「コンサルタント契約」などを結ぶことによって、毎年10億円程度、
支払われることになっていたものだ。西川氏も同意のサインをしていたとの報道もある。
それが、今回の事件では司法取引が行われたことで摩訶不思議なことがまかり通った。司法取引の影響があったかは不明だが、
ゴーン氏とケリー氏以外で起訴されたのは、法人としての日産だけだった。

 ゴーン氏が無罪になったらどうなるのか。特捜部だけではなく、混乱を招いた日産経営陣の責任も厳しく問われることになるだろう。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181211-00000041-sasahi-soci