(前略)
さて、Google Pixelの正規修理業者の認定を受けたiCracked Japanだが、現在最も多く修理で持ち込まれる機種はiPhone 7シリーズだそうだ。
「すぐに直してほしいという駆け込みは何件かあるが、AppleCareの充実やアップル認定プロバイダーの修理代金の低価格化もあり、最新機種をiPhone登録修理業者に持ち込むユーザーは少ない」そうだ。
そのため、発売から2年が経過し、アップルのメーカー保証やAppleCareによる延長保証が切れたiPhone 7シリーズの修理が多い。
(中略)
冒頭で紹介したように、いま日本で最も売れている端末はiPhone 8シリーズ。
来年や再来年にはメーカー保証やAppleCareによる延長保証が切れるiPhone 8シリーズが大量に出てくるため、iPhone登録修理業者の事業がいますぐ先細ることはないと思えるが、
福島氏によると事業の分岐点となるのはiPhone Xなのだという。
「iPhone 8シリーズまでは液晶パネルを採用しているので、さまざなメーカーから、さまざまなクオリティーの修理パーツを取り寄せられます。
一方、有機ELパネルを採用しているiPhone X以降では調達できる修理パーツのバリエーションが少なく、そもそも単価が高い」とのこと。
有機ELパネルの量産に成功しているのは一部のメーカーのみなので、修理パーツの価格が高止まりしているのが現状だ。
現在、最も修理台数が多いiPhone 7の画面割れについて、iCracked Japanでは1万2800円から複数の価格設定がある。
これは、アップルの純正品相当の液晶パネルだけでなく、さまざまなクオリティーの液晶パネルをユーザーが自由に選べるためだ。
このような理由もあり、iPhone登録修理業者にとって有機ELパネルを搭載したiPhone XSシリーズの失速より、
液晶パネルを搭載したiPhone XRの販売不振は数年後の業績にダイレクトに響いてきそうだ。
これまではiPhoneの圧倒的な人気によって、メーカーやユーザー、そしてメディアまでを巻き込んだ強固なエコシステムが構築されてきたが、
中長期を見据えると周辺機器メーカーや修理業者はそろそろ経営判断が必要な時期に差し掛かっているかもしれない。

https://jp.techcrunch.com/2018/12/10/icracked-japan-google-pixel-3/