出入国管理法改正案などをめぐる攻防が繰り広げられた7日の国会で、野党は審議遅延戦術を繰り広げて最後の抵抗を見せた。

 参院本会議では、横山信一法務委員長(公明)と堂故茂農林水産委員長(自民)の解任決議案がいずれも否決されたが、採決までの過程で野党は抗戦を際立たせた。

 与党が提出した両委員長解任決議案の討論時間を制限する動議の採決時、自由党の山本太郎共同代表は、投票箱までゆっくり歩いて議事進行を遅らせる「牛歩戦術」に出た。

 自由党の森裕子幹事長は堂故氏の解任決議案の趣旨説明の際、制限時間を10分以上超えて演説を行った。

森氏は伊達忠一議長の注意を聞き入れず演説を続けた

が、最終的に、議院運営委員会野党筆頭理事の白真勲氏(立憲民主)に促されて降壇した。

 その直後の与野党理事による議場内での協議の際、議運委与党理事の大家敏志氏(自民)と白氏がもみ合いとなった。主要野党各会派は「暴力に近い形でこづいた」などと抗議し、自民党も謝罪したが、野党側は納得しなかった。

 その後、自民党の関口昌一、立憲民主党参院会派の芝博一両国対委員長は国会内で会談し、自民党側が大家氏が「暴力に近い形でこづいた」ことを認めて謝罪。議運委理事を辞任することで決着したが、議事は3時間以上ずれ込んだ。(千田恒弥、大島悠亮)
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