移民の流入への反対姿勢を強めるデンマーク政府は6日までに、「不要な」難民を人の住まない島に移す措置をとる方針を表明した。
来年の財政法案に関連計画を盛り込むことで、右派のデンマーク国民党(DPP)と合意したという。

ストイベア移民相はフェイスブックへの投稿で、一部の移民について「不要な存在であり、自分たちでもそれを肌で感じることになる」と明言。
「デンマークの社会にとって不要なら、もともといるデンマーク人に迷惑をかけるべきではない」「新しい住所に移ってもらう」と述べた。

計画によれば、当該の住所は同国南東部のリンドホルム島になるとみられる。
陸から約3.2キロ離れた無人島で、数十年間にわたり伝染病に感染するなどした動物のための研究施設が置かれていた。
今後同じ場所に難民のための施設を建設し、当初は100人を住まわせるとしている。

施設への移送の対象になるのは、居住許可証を持たないものの命の危険があるなどの理由で本国への送還ができない難民、
犯罪行為や安全保障上の理由から送還される予定の難民、違法行為で有罪判決を受け亡命申請を拒否された難民など。

DPPの広報担当者は、こうした措置についてオーストラリアのモデルを参考にしていると説明。
不測の事態に備えて、警察官の配備や留置場の設置を検討していると述べた。そのうえでCNNに対し、
「我々の望みは、デンマーク以外の国の人々にデンマークがあまり魅力的な亡命先ではないと理解してもらうことだ。
たとえ難民であろうと、国内に危害をもたらしたり犯罪を扇動したりするなら、こうした措置の対象になる」と強調した。

上記の計画を実施するには、議会の承認が必要となる。地元の人権団体の幹部はCNNの取材に答え、計画への懸念を表明。
施設に移送することが「事実上の拘留に当たらないかどうか、検証しなければならない」と述べた。




デンマーク、「不要な」難民の隔離を計画 無人島の施設に
https://www.cnn.co.jp/world/35129727.html