いま、自動ブレーキという呼び名自体が問題視されている。
各種のデータから、交通事故を半減させるほど、その安全効果が評価されている「自動ブレーキ」だが、
自動という言葉の響きからブレーキ操作が不要になるというイメージを持つユーザーもいるという。

 たしかに英語表記ではAEB(Autonomous Emergency Braking)で、
直訳すると自律型緊急ブレーキとなるため自動ブレーキを日本語化するのはおかしくはないが、
自動という言葉にエマージェンシーの要素が欠けてしまうことがユーザーの誤解を招いているのだろう。

 その意味では、この手の機能が登場した初期から使われている「衝突被害軽減ブレーキ」という呼び名を、あらためて使おうという動きもある。
あくまでもヒューマンエラーをカバーしてくれる機能であって、日常的にそれに頼れる機能ではないということを再確認したい。

 なお、ここからは自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)をAEBの表記で統一したい。

 そんなAEBの課題は、ネーミングからの誤解を解くだけではない。
まだまだ黎明期ということで、クルマや年式による機能差が大きいことも、いくつかの誤解につながっているといえる。
機能が作動する速度が30km/h以下の低速に限定されるものから100km/hオーバーまで機能するものがあるといった違いもある。
また、車両しか検知できないタイプと歩行者なども検知できるタイプといった違いもある。
いずれも、主にセンサーに依存する性能差だ。

あまりに性能差の大きいクルマの自動ブレーキは「名前」と「性能明示」が緊急課題!
https://www.webcartop.jp/2018/12/301262