「ストロング」や「飲みごたえ」をキャッチフレーズにした日本酒が京都の酒造会社で相次ぎ登場している。缶チューハイやビールでの
アルコール度数高めのストロング系ブームが日本酒にも到来した格好だ。各社はそれぞれの商品づくりで市場の活性化を狙う。

黄桜(京都市伏見区)は今秋、新製品「ストロングドライ」を発表した。紙パック酒の新ブランドは1999年の「辛口一献」以来。
濃厚な原酒と辛口の原酒をブレンドした「濃醇(のうじゅん)辛口」で、アルコール度数は高めの17度。強い口当たりとすっきりした後味が特長という。

高アルコールの缶チューハイの人気が広がっていることから、受け入れられると見込んだ同社は「晩酌を楽しむ40代以上に加え、
若い人にも興味を持ってもらいたい」と意気込む。

月桂冠(伏見区)は今年1月に限定販売した「つき原酒」(アルコール度数20度)を、年末年始用のギフトセットで再登場させた。

同社は2012年に業界で先駆けてアルコール度数17度の「辛口ストロングパック」を販売したことがある。当時は一部地域でしか売り上げが伸びず、
ストロング系の開発には慎重だったが、今回発売した「つき原酒」は最近のブームに合致し、米のうまみや甘みが味わえる高品質な味わいが好評だという。

また、宝酒造(下京区)は、看板ブランド「松竹梅」の「天」をリニューアルし、「飲みごたえ辛口」を発売した。辛口パック酒ユーザーが
「飲みごたえ」を求めているという市場調査の結果に応えた形だ。「ストロング」の切り口は意識しなかったが、アルコール度数はやや高めの15度。

11年には、低度数のスパークリング清酒「澪(みお)」を発売し、若い女性を中心にヒットした。今年に入り、強さを前に打ち出す商品との
二極化が進む現状について、宝ホールディングスの環境広報室は「缶チューハイは高アルコール、辛口、強炭酸のニーズが顕著。
日本酒に同じような流れがあるかは分からないが、新しいジャンルが話題になれば、日本酒市場が盛り上がる」と期待している。

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