「ペットボックス」などを営むペット小売業のオム・ファム(北谷町・中村毅代表)が、2019年4月から犬と猫の生体販売をやめる。
企業理念「不幸な犬・猫を生まない社会をつくる」に基づいた判断で、中村代表は「ペットショップの概念を変えたい」と意気込んでいる。(社会部・宮里美紀、松田麗香)

同社は8年前から生体販売を開始。生育環境などに問題がないブリーダーから犬猫を買い取り、顧客にも動物を飼う環境が整っているか確認した上で年間約10頭を売っている。

19年からは、ペットボックス那覇店ではテナントを貸しているオーシャンペットは生体販売を続けるが、オム・ファムは犬猫を仕入れない。
ペットボックス北谷店では20年以降に計画している建物の全面改装に伴って、那覇店と同様にテナントを貸しているオーシャンペットにも理解を求め、生体販売をしない店舗にする予定だ。

中村代表は「生体販売は企業理念に反するのでは、との葛藤から決断した」と力を込める。
中村代表によると、欧米ではペットショップはなく、ブリーダーから買い主が直接引き取るのが主流。
今後は犬猫の散歩サービスなどを展開し、「生体販売しないペットショップのビジネスモデル確立を目指す」としている。

民間の譲渡会を開いているワン’sパートナーの会の比嘉秀夫理事長は「大手のペットショップが生体販売をやめるのは県内で初めてでは。殺処分ゼロに向けて社会に意識喚起するきっかけになる」と喜ぶ。

県内の犬や猫の殺処分数は、13年度の4824頭から17年度で1421頭と減少傾向ではあるが「飼い主の都合で捨てられる犬や猫はまだまだいる。ペットの飼い方や命について考える人が増えるよう民間団体と企業、行政が連携する動きが加速すればうれしい」と期待した。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/350643
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