政府は外国人が日本で職業訓練を受けるための在留資格「技能実習2号」の対象に、宿泊業を追加する方針だ。

 政府が今国会成立を目指す出入国管理法改正案は、技能実習2号を修了した外国人が新たな在留資格「特定技能1号」に無試験で移ることを認めている。技能実習2号の対象拡大で特定技能1号の人材を確保する狙いがある。

 技能実習は日本の技術を途上国に移転するため、外国人に日本で働いてもらう制度。入国1年目の技能実習1号、2〜3年目の2号、4〜5年目の3号がある。
一方、衆院で審議中の入管法改正案は、技能実習2号の修了者は特定技能1号取得に必要な試験を免除すると定めている。

 ただ、特定技能1号の対象14業種のうち、宿泊業と外食業は技能実習2号の対象になっていない。このため、与党内から「技能実習2号の対象業種を拡大し、特定技能1号の人材供給源にすべきだ」との声が上がっていた。

 観光庁の金井昭彦審議官は21日の衆院法務委員会で「技能実習2号の対象に宿泊業を追加すべく、検討を重ねている」と説明。
理由として「わが国の宿泊業はきめ細やかなサービスや清潔感が特徴。観光が重要な産業である場合が多い途上国では技能習得のニーズが高い」と語った。

 政府は、5年間で最大34万5000人と見込む特定技能1号取得者のうち、45%は技能実習2号からの移行組とみている。
野党は、新在留資格は技能実習制度と「密接不可分」で、新資格の導入よりも失踪者が相次ぐ技能実習制度の問題の解決を優先すべきだと主張している。

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