ヒト細胞を実験室で培養して造られるミニ・ブレインから、世界で初めて脳波が確認された。
しかも、そのパターンは未熟児のものと類似しているという。
世界的科学誌「Nature」がこの驚きの報告をリポートしている。

現在、世界中の実験室で、ヒト幹細胞を培養して作る「オルガノイド」の研究が盛んに行われている。
オルガノイドとは生物の組織や臓器に似た形を持つ構造物で、実物と比べると小さく単純であるが、様々な病気の研究や薬剤の開発などに広く使われつつある。
脳の組織に似た立体構造を持つオルガノイドも実現しており、脳オルガノイドと呼ばれている。

今月米サンディエゴで開催された神経科学学会で、実験室で造られるミニ・ブレインから世界で初めて脳波が検出されたとの驚きの報告があった。
報告者は米カリフォルニア大学サンディエゴ校の神経科学者アリソン・ムオトリ(Alysson Muotri)氏。
過去にネアンデルタール人の脳オルガノイドを作成したことでも知られる著名な研究者の一人である。
科学誌「Nature」が今月15日付で掲載した解説記事によると、研究者らはヒト幹細胞から記憶や認知を司る大脳皮質の細胞を誘導し、何百個もの脳オルガノイドを培養した。
それらは10カ月にわたって培養され、ヒトの脳と同じような遺伝子発現をしていることが確認されたのみならず、その表面に電気的なパターン、つまり脳波を生じさせて研究者らを仰天させたのである。

イカソース
https://tocana.jp/2018/11/post_18811_entry.html

念の為Natureの該当記事
Lab-grown ‘mini brains’ produce electrical patterns that resemble those of premature babies
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07402-0
https://media.nature.com/w800/magazine-assets/d41586-018-07402-0/d41586-018-07402-0_16271288.jpg