国会で野党は、政府のデータ集計のささいなミスをあげつらうことで仕事をした気になっている。
こうした悪癖を捨て、本質的な政策論争に持ち込むにはどうすればいいか。橋下徹氏が実践的な国会改革論を披露する。
https://president.jp/articles/-/26728

細かな事実を聞く野党の「クイズ的質問」は最悪

それともう一つは、国会での議論のやり方改革だよ。あんな会議を民間でやる奴がいたら、そいつは即時研修送りだね。論点整理が全くなっていない。

国会の議論は、基本的に野党が政府に質問して、政府が答えるというパターン。だから政府を支える官僚たちは、きちんとした答えができるように事前に準備するんだけど、それがやり過ぎなんだよね。

野党の質問が、単純な事実確認や数字確認のことなら、委員会日の前に官僚に確認すればいいだけだし、どうしても委員会当日に聞きたいというなら、官僚が準備するためにも、事前に質問内容を官僚側にきちんと知らせる必要がある。
これを事前通告というが、現在この事前通告がうまく機能せず、官僚は夜を徹して、どんな質問が来ても対応できるように、膨大な量の答えを用意している。
これを想定問答の準備といい、質問を予測して膨大な準備をするんだけど、当日、予測した質問が出ないことがほとんどで、大量に準備した答えがほとんど無駄となることも多い。

このように官僚の事前準備の無駄な労力を省いて、そこで生み出された時間を、データ集計ミスを防ぐために使ってもらうというのが国会改革の柱だ。
野党はデータ集計ミスを批判するだけではいけない。
データ集計ミスを防ぐための霞が関の働き方改革には、野党も責任を負っていることを自覚すべきだ。

だから細かな事実や数字をその場で聞く、クイズみたいな野党の質問には、その場でタブレットPCで調べて答えるという国会慣習・ルールにしたらいい。
あんな質問は首相や政府側が答えに詰まる場面を見せることだけが目的の最悪な質問だ。