国連は、経済が混乱している南米ベネズエラから逃れた難民が周辺国を中心に300万人に
達したとして、人道援助の強化に乗り出しました。

ベネズエラは、独裁的な政治姿勢をとるマドゥーロ大統領のもとで経済が混乱し治安も
悪化していることから、国を逃れる難民が増え続けていてます。

これについて国連のハク副報道官は、8日の定例記者会見で、ベネズエラから逃れた難民が
300万人に達したと発表しました。

このうち中南米諸国に8割が集中し、最大の受け入れ国が隣国のコロンビアで100万人以上、
次いでペルーで50万人以上、エクアドルで22万人、アルゼンチンで13万人となっています。

こうした状況についてハク副報道官は、難民の受け入れ国に謝意を表明したうえで、「受け入れ
能力には限界があり国際社会によるより確かな対応が必要だ」と述べて、国際社会に対して
受け入れ国への協力や支援を呼びかけました。

そのうえで、「国連機関が連携して難民への対応に当たっている。来月には新たな
人道援助計画を立ち上げる」と述べて、食料や医薬品などの人道援助物資の提供範囲を
拡大する方針を示しました。

また今月下旬には、エクアドルの首都キトで中南米諸国と国連機関の代表が出席して対応を
協議する予定で、ベネズエラ難民の増加は、国際社会の差し迫った課題になりつつあります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181109/k10011704191000.html