出張先で丸亀製麺を見つけ入店
いらっしゃい、と出迎えてくれたのは60過ぎのパートのおばさん
釜玉を注文すると、出際よく麺を窯から取り出す
笑顔で作業に入るおばさんを微笑ましく眺めていると、思わずおばさんの動きにわが目を疑った
窯からだしたばかりの麺をゆで洗いし、さらに水気を飛ばす機会に突っ込んだのである
パートのおばさんは、唖然とし言葉を失った私を無視するかのように
麺を丼にうつし卵を入れて「はい、釜玉の中でーす!」と自信満々の笑顔で似非釜玉を差し出してきた
釜玉を馬鹿にしやがって、と怒りに震えたが、しかし私は嫁も子供いるサラリーマン、ここで醜態を晒すこともできず、パートのおばさんに怒鳴りつけたいのをぐっとこらえ席に着いた
しかし案の定、麺は冷え切っており、玉子は生のままで麺に絡まず食べられたものではなかった
私は今は亡き父親の「いかなる時も紳士たれ」の言葉を思い出し、クレームを入れるのを我慢し
一切釜玉には手を付けず、無言で返却テーブルに戻した
そして斜め向かいのはなまる製麺所に入店し釜玉を注文したのである