韓国では大統領が司法機関を含む人事や予算などの権限を一手に握り、
「皇帝と国王の力を足したほどの権力」(大統領府の勤務経験者)を持つ。
半面、その政治が世論に迎合しやすい例えとして、「法の上に『国民情緒法』がある」ともいわれる。
今回も、世論の支持を得るための政治ゲームに徴用工問題が巻き込まれたとも言える。

 10月には、済州島(チェジュド)での国際観艦式を巡り、
韓国が自衛艦旗(旭日(きょくじつ)旗)の掲揚を認めないと主張する騒ぎも起きた。
柳興洙(ユフンス)元駐日韓国大使は「韓日が小さな問題にも敏感に反応する事態になっている」と語る。

 文政権は今回の司法判断を尊重する構えだ。文政権が日韓関係を重視する政策に修正しない限り、
司法の命によって請求権協定が破壊され、日韓関係は破綻(はたん)に近い打撃を受けかねない。