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「公園に農薬」―。にわかには信じ難い話を確かめようと、取材班は浦添市役所を訪ねた。
浦添運動公園を所管する市教委文化スポーツ振興課。玉城尚課長が「言葉の正確性を」と記者の前に録音機を置き、インタビューは始まった。

玉城課長によると、9月17、18日の2日間、指定管理者が除草のため薬剤をまいた。
薬剤は成長調整剤の「グリーンフィールド水和剤」という。
玉城課長は「カテゴリー的には農薬。飲んでも安心かと言えば、NGだ。ただ国の基準をクリアした製品。人体への安全性は担保されている」と強調した。

取材の2日後、市は公園の近隣50世帯に「報告書」を配布した。どのような薬剤を使ったのか、散布を目撃した住民から説明を求められていたからだ。

報告書には薬剤のチラシが添えられ、嵩元盛兼教育長名で「人体及(およ)び環境へ悪影響を及ぼすのではないかとご心配をおかけしました」と陳謝。
その上で「無害であるとご報告すると共に、指定管理者へ今後散布を行わないよう指導してまいります」と記している。

浦添市教育委員会が言うように、本当に人体への安全性は担保されているのだろうか。農薬に詳しい専門家を訪ね、聞いてみた。

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浦添運動公園の写真を見せると、琉球大の多和田真吉名誉教授は言葉を失った。
専門は農薬科学。グリーンフィールドについて「毒性はあまりない」としつつ「成長調整剤は植物のホルモンに働き掛け伸びを抑えるもので、枯らせるものではない。濃度が濃すぎたのか、別のものをまいたのか?」。
枯れた草を見て疑問を投げかける。

市は報告書で「念入りに散布した結果、散布量が多くなったことに加え、台風の塩害が相まった」としている。
その見方に対しても、多和田名誉教授は「それはおかしいでしょう。塩害なら一様に影響が出るが、枯れているのは農薬をまいた所だけ」と苦笑した。

まだ続きます