空前の「縄文ブーム」背後にある日本人の憂鬱
10/28(日) 10:20配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181028-00245054-toyo-soci&;p=1
平成も終わりに近付いているというのに、日本がにわかに「縄文ブーム」に沸いてやしないか。この夏に開催された東京国立博物館で開催された特別展「縄文−1万年の美の鼓動」には、当初目標の20万人を突破する35万人が来場。筆者も仕事も含め、会期中に7回足を運んだ。

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 運ぶたびに人垣が成長し、終了間際の8月29日に行った際には、もう、何がなんだかさっぱりわからないほどの多くの人でごった返し、縄文時代の美しき生活道具の前にくぎ付けとなっていた。

■前のめりで土偶や土器を見つめる人たち

 なかでも特に印象的だったのが、若い女性の来場者が多かったことである。主催者側も、その層の来館を狙った施策を打ち出し、それが功を奏したと言える。
今まで多くの考古学系博物館や資料館に足を運んだが、若い女性が大挙して押し寄せるような場面に一度たりとも出くわしたことがない。

 しかし、今回は違う。誰もが遺物に対して前のめりで、あれこれと感想を言い合いながら食い入るように土偶や土器を見つめていた。
各人が満足そうな顔で会場を後にする姿を見ると、私が企画したわけでもないのに目頭が熱くなる思いがした。それだけ、普段は考古学企画展の人気はないと言っていい。