国連は、北朝鮮について安全保障の分野では大きな進展があったが、人権侵害には改善が
見られないという認識を示しました。

北朝鮮の人権状況を独立した立場で調査する国連のキンタナ特別報告者は、23日国連本部で
記者会見しました。

この中でキンタナ氏は、「安全保障環境には大きな進展があったが人権状況には変化がない」
と述べ、強制収容所での人権侵害などにこの1年、改善は見られず、法制度の整備なども
進んでいないという認識を示しました。

また、北朝鮮による日本人の拉致問題については残された家族の高齢化が進んでいるのに
消息すらわからないとしたうえで、「拉致被害者に起きている事実を世界に伝えることは
優先事項だ」と述べて拉致問題を人権侵害として特に重視していると強調しました。

そのうえで、キンタナ氏は、「北朝鮮は国連加盟国の1つとして普遍的な人権の価値を認識し
原則を守る行動を示すべきだ」と述べて人権状況の改善を訴えました。

一方、北朝鮮から中国に渡った脱北者は北朝鮮に強制送還される不安の中で暮らしているとして
脱北者を不法移民と見なすことをやめさせようと中国政府と協議を行った結果、中国の警察が
一部の脱北者を強制送還せずに解放したと述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181024/k10011683451000.html