大阪維新の会代表の松井一郎知事は議会休憩中、目的地も定めず府庁舎周辺で公用車を走らせ、車内で喫煙していた。法的な問題はなくとも、公務員の仕事のあり方に、厳しい視線を注いできたのが維新。
受動喫煙問題に取り組む880万人都市の長として、その姿勢が問われる。
「大変お騒がせしています」。
13日、大阪維新所属の府議のパーティーに出席した松井知事は、支持者の出迎えに苦笑いで応じた。
事の発端は、自民党府議による目撃だった。今月2日の議会休憩中、缶コーヒーを手に公用車に乗り込む知事を見かけた。なぜ、公用車だったのか。
知事が説明する「休憩」以外に、当日は府庁周辺でデモがあったといい、府側は警護上の理由もあると説明する。
維新は公約で1円の税金も無駄にできないと掲げる。知事は「誤解を招かぬよう、短時間の利用は避ける」とする一方、「税金の使い道で間違っているわけじゃない」とし、昼休憩などで公用車の利用は継続するという。
一般職員は勤務時間中は禁煙だ。維新がトップの大阪府や大阪市はこれまで、全面禁煙の庁舎から、昼休憩以外に「抜け出しての一服」も厳しく処分し、周辺の路上での喫煙も禁じてきた。
特別職の知事は対象外だが、受動喫煙対策は全国的な課題で、大阪では健康をテーマに2025年国際博覧会(万博)誘致にも取り組む。
府内の女性(43)は「喫煙の是非というよりも、行政全体で禁煙の取り組みを進めているさなかであり、『公人』としての立場をわきまえるべきではないか」と話す。
愛煙家の松井知事に対し、日本大の岩井奉信教授(政治学)は「公用車は公用で出掛ける『足』だ。今回のような使い方は、批判を受けても仕方がない。
府が受動喫煙対策を進めるなら公用車も禁煙であるべきだ」と指摘する。
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