これ中国人だけじゃないし他の外国人が昔から言ってるし日本の知識人も指摘してるよ
日本人はその場の「空気」や「世間」や上下関係に縛られて生きてるから
外人から見たら日本人は世間や集団や組織に隷属して「(自分の人生を)生きてない」と思われてる
養老猛司の本とか読んでるなら知ってるだろ


 あるとき、中国人の留学生が、東京から京都までドライブした。途中でヒッチハイクをしているドイツ人の学生を乗せました。
この中国人留学生が書いた随筆があります。その文章を読みました。京都に到着して、車を降りるときに、ドイツ人学生がいいます。
「日本人は生きられませんからね」。中国人である著書は、それに賛成する。これが中国人とドイツ人の結論です。
 スリランカのお坊さんに先日会った。前にそう書きました。どういう文脈か忘れましたけど、このお坊さんが同じことをいいましたよ。
「日本人は生きてませんから」って。これが「国際世論」のようですよ。いったいなんのことか、それを理解していないのは、日本人だけのようですね。
 どういうことかって、説明しろっていわれる。だから「話せばわかるなんて、大ウソ」なんですよ。もちろん「説明する」ことはできます。
そうすれば、知っている人は「ああ、あれね」と即座にわかります。でも、その気持ちを知らない人には、説明してもムダです。
食べたことのないものの味や匂いの説明って、意味ないでしょうが。だからテレビの料理番組は、あらゆる種類の「うまい」という表現に終わってます。
 世間で生きている人に「生きている」ことの国際的意味を説明しても、おそらくダメなんです。だって世間で生きるってことが、その代用なんですから。
いうなれば、「個人が生きる」ことが「世間で生きる」ことに置き換えられてるんですよ。日本では。
それに対して、外国人が「日本人は生きていない」「日本には普遍性がない」っていうんです。外国は日本の世間じゃありませんからね。

 ―――――東京大学 医学部名誉教授 養老猛司 著書『運のつき』より