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安倍首相がプーチン大統領に舐められきっているのは、もはやあきらかな事実だろう。
現に、日本政府が日露外交の成果と誇る元島民の墓参についても、ロシア側から
今月10日から択捉島で予定されていた墓参の中止を通告されている。
経済協力活動に日本は3000億円の投入を約束していたが、これでは完全に貢いだ
だけだ。

 思えば、山口での首脳会談前は「プーチン訪日で北方領土返還」などというムード
をつくり上げた安倍官邸。しかし、それが「歯舞群島、色丹島の2島引き渡し」へと
トーンダウンした挙げ句、いつのまにかテーマは「北方4島の共同経済活動」にシフ
トし、いまもって「特別な制度」さえ合意に持ち込めていないという散々たる状態だ。

●北方領土は返還どころか、ミサイル・軍隊配備でロシアの軍事要塞化が進行

 いや、それどころか、ロシアは北方領土の軍備拡張のため、新型地対艦ミサイルや
軍隊の配備のほか、今年3月にはクリール諸島(北方領土と千島列島)で軍人200人、
車両20台が参加した軍事演習をおこなったと発表(北海道新聞3月17日付)。
プーチン大統領も「(北方領土の軍事化は)必要に迫られた措置」と強調するなど、
日本への北方4島返還どころか、軍事要塞化への道を着実に進めているのである。

 結局、安倍首相がやってきた対ロシア外交は、見返りもないまま日本の資金などを
貢ぐだけのものでしかない。つまり、国内向けの仲良しアピールしか頭にない安倍
首相を、プーチン大統領は完全に見くびっているのだ。──安倍首相はこれまで
何回も口にしてきた「私とプーチン大統領が必ず問題に終止符を打つ」などという
威勢だけがいい言葉を今回の会談後も吐いたが、そこには何の根拠もないのである。
これでは約60年前の日ソ共同宣言よりも退行していると言ってもいいだろう。