国籍、年齢、性別を問わず愛され続ける「プラモデル」。その歴史は古く、1958年12月に産声をあげた国産プラモデルの歴史は今年60周年を迎えた。
先ごろ、東京ビッグサイトで開催された『全日本模型ホビーショー』では、「プラモデルで見る60年」と題し、“日本最初のプラモデル・ノーチラス号(マルサン商店)の再販モデルや、その金型を展示。
また、これまで世に送り出された多岐に渡る膨大な種類の国産プラモデルを展示し、好評を博した。
そこで、80年代以降、ガンプラブームを創出するなどし国産プラモ史において重要な役割を担ってきた「バンダイ」の担当者に、ガンプラを支えてきた金型職人の重要性や、接着剤を不要にした技術革新について話を聞いた。


■“接着剤なし”のガンプラは歴史的変化「相反する命題を両立させた匠の技術

 1958年、マルサン商店より日本初のプラモデル・1/300モデル ノーチラス号が発売。
そこから22年経った1980年、バンダイ模型によって初めてスケール表示を得た人型兵器模型「ガンプラ」が誕生。1/144 ガンダムの発売以降、子どもたちが行列を作る一大ブームを巻き起こした。

 当時のガンプラと現代のガンプラ、最も技術的に進化した部分は何か?
それは「接着剤を使わなくなったこと」だとバンダイの担当者はいう。
さらに、「塗料が無くてもアニメ同様のモビルスーツが出来あがります。組立説明書に従って作り進めていけば誰もが完成させることが出来る」
と、老若男女問わず愛される“ガンプラ”の魅力を語った。

 80年のガンプラ誕生以降、プラモに付属していた接着剤が足りなくて困ったことや、間違って接着した部分を剥がそうとしてパーツを壊してしまった経験を持つ人は多い。
しかし、現代のガンプラではそうした悩みは皆無だ。一見、“歴史的変化”としてとらえづらい部分ではあるが、実はここに画期的な技術革新があったのだという。

 「接着剤無しでパーツを組み上げていく現在の商品仕様は“スナップフィット”といいます。
パーツ同士がハメ込み易く、一方で抜け難いという相反する要求を満たす精度を商品に持たせるという点は、バンダイスピリッツのプラモデルの最も肝要なポイントのひとつです」と解説。
そして、「それは“金型”の仕上げの最終段階で職人の手に委ねられる点でもあります」と金型の重要性を強調した。

 プラモデルは金型の精度がそのまま製品の精度に直結するという。CP技術の進歩はむろんだが、最終的には職人の技術によるところも多分にあり、100分の1mmレベルで管理しているのだという。
担当者によればガンプラ一体の金型制作は「通常1カ月〜1カ月半くらい」とのこと。いかに金型作りが重要なのかが伺える。

■ガンプラブーム終焉を救った“僕らのガンダム”『BB戦士』

つづく

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