静岡)北限の造礁サンゴ、多くの命育む

 駿河湾最奥部の内浦湾はハードコーラルと呼ばれる造礁性サンゴの分布北限域に含まれる。
エダミドリイシが自生しており、群落を見ることができる。造礁性のサンゴは魚の餌場になるほか、
幼魚やエビ・カニなどの隠れ家になっており、多くの命を育む。

 1991年、静岡県沼津市西浦久連(くづら)沖で、約5千平方メートルのエダミドリイシの
大きな群落が発見された。その後、平沢など湾内各地で自生しているのが確認された。

 大群落は低水温、台風、ウニ(ガンガゼ類)による食害などの影響で減少が続く。
内浦漁業協同組合、東海大学、地元の水族館などで組織する「北限域(内浦湾)の
造礁サンゴ群落保全会」がサンゴの種苗生産、移植、ガンガゼ対策のフェンス設置などに取り組んでいる。

 保全会メンバーで、環境コンサルタント研究員の松永育之さんは「厳しい環境に耐えながら
生き延びてきた貴重なサンゴをこれからも守っていきたい」と話している。

https://www.asahi.com/articles/ASL8W3VGVL8WUTPB00D.html