ビルから飛び降りろ…不正背景に「どう喝文化」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00050104-yom-bus_all

金融庁から一部業務停止命令を受けたスルガ銀行で、不正融資が横行した背景には、組織内にはびこっていたパワハラがあった。外部の専門家による第三者委員会が9月にまとめた報告書からは、過剰なノルマを課され、上司の脅迫や暴力行為に追いつめられた行員の実態が浮き彫りになった。

 「数字ができないなら、ビルから飛び降りろ」――。業績の伸び悩んでいたある行員は、上司からこう叱責(しっせき)された。営業部門では、現場責任者を務める管理職が行員に対し、会議や電話で日常的に暴言を繰り返し、行員からは「どう喝してもよいという文化がある」との指摘もあった。

 数値目標を達成できなかった行員が「死んでも頑張ります」と述べると、上司が「それなら死んでみろ」と迫ったこともあった。ある行員は「非公式な異動、会議の場での侮辱、休日出勤の強要など枚挙にいとまがなかった」と、社内制度を無視した横暴が繰り返されていたことを、調査を担当した弁護士に告白した。

 時には暴力行為も黙認された。ある行員は「首をつかまれて壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った」と証言した。2〜3時間にわたってどなられ、「天然パーマを怒られる、1か月間無視され続ける」などの中傷に近い被害を受けた行員もいたとされる。