記者が旅行中に被災…宿がない、ミルクも作れない、どうする

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180915-00000511-san-life

最大震度7を記録した北海道の地震では、多くの旅行者も被災した。生活基盤のない旅行者が被災した場合、どう行動すればいいのだろうか。
また、どのような備えが必要なのだろうか。地震発生時、旅行で北海道旭川市に滞在していた記者が、当時の行動を振り返る。

■ミルクが作れない!

 6日未明、家族4人とともに旭川市内のホテルで眠っていたところを地震に襲われた。同市は震度4。即座に身に危険が迫るほどの揺れではなかったが、約10分後に停電・断水が始まった。

 夜が明けても停電・断水は続いた。水を調達しなくてはと、ホテルの最寄りのコンビニエンスストアにレンタカーで向かった。道々、停電の影響で自動販売機は停止しており、個人経営の雑貨店などは閉まっていた。
そして、コンビニは早朝にもかかわらず混雑していた。やはり、水や氷を購入する人が多かった。カップ麺などレトルト食品もよく売れていた。

 水を手に入れてからはたと気づいた。お湯を沸かせない。ガスコンロなど携帯しているはずもない。
旅行者には停電時にお湯を沸かす手段がない。カップ麺、レトルト食品を調達したが温められない。それ以上に困ったのは、乳幼児のミルクが作れないことだった。

■水でカップ焼きそば

 ホテルのフロントにお湯を沸かしたいと伝えたが、「停電していますので…」と断られた。簡易コンロを買おうとレンタカーでホームセンターをはしごしたが、どこも売り切れていた。

 肩を落としてホテルに戻ると、別の従業員の方が自宅からコンロを持ってきてくれていた。
かなりイレギュラーな対応だったのだろうが、泣き止まない1歳になったばかりの幼児を文字通り抱える親としては心底ありがたかった。

 夕飯は非常灯だけがついた薄暗い客室で、カップ焼きそばを水でふやかして食べた。
おいしくはなかった。警視庁警備部災害対策課が、非常時用レシピとして水でカップ麺、カップ焼きそばを作る方法をインターネット上で公開している。その“レシピ”を見て作ればよかった。