“科学技術強国”中国の躍進と日本の厳しい現実

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いま、中国の科学技術が急速に成長している。「科学技術強国」の建設を掲げてばく大な資金を研究につぎ込み、超大国・アメリカに迫ろうとしているのだ。これと対照的に、国際的な地位低下が指摘されている日本の科学技術。
「科学技術立国」を標ぼうしながら、何がこの差を招いたのか。躍進を続ける中国の現実から目を背けてはならない。(科学文化部記者 横川浩士)

中国躍進の象徴、スパコン

中国・上海から高速鉄道で1時間余り、江蘇省無錫市にある「国立スーパーコンピューターセンター」。ここに、中国が世界に誇る「神威・太湖之光」がある。
アメリカなどの専門家がまとめている計算能力の世界ランキングで、ことし6月までの4期2年、1位の座を保ってきたスーパーコンピューターだ。
高度な計算を伴う研究に欠かせず、各国が開発競争にしのぎを削っているスーパーコンピューター。最新のランキングでは、中国は上位500台のうち200台余りを占め、2位のアメリカを大きく引き離している。
(中国:206台、アメリカ:124台、日本:36台)

右肩上がりの研究開発予算

「科学技術力をたゆまず増強させれば、中国経済はもっと発展できる」
中国の習近平国家主席が繰り返し強調している言葉だ。
いま、中国は国を挙げて科学技術力の強化に取り組んでいる。
文部科学省の科学技術・学術政策研究所によると、2016年の中国の研究開発費は45兆円余りと、10年で3倍以上に増えている。その額は日本の倍を超え、1位のアメリカに迫る勢いだ。
(日本:18.4兆円、アメリカ:51.1兆円)
その成果は着実に形となって現れている。
中国の研究論文の引用数は、2006年までの3年間の平均では世界で5位だったが、2016年までの3年間では2位に上昇。同じ時期に4位から9位に下がった日本とは対照的だ。

続く
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html